登山
2018年12月03日(月)
妙見岳〜国見岳〜普賢岳 縦走(2)
国見岳の山頂から普賢岳紅葉樹林へ続いている道がひっそりと伸びている。興味本位でちょっとだけ下ってみた。ほんの10m程度のつもりで。

ちょっと下ると、山頂直下に灯籠台が2つ立っていて岩陰には大国主大神などを祀っていると思われる何かがあった。


山頂直下の隠れた場所にこんなものがあるなんて、山渓のガイドブックには書いてなかったので、ちょっと良いものを見れた気がして、おもわずにんまりしてしまう僕だ。この先のバリエーションルートもいつか歩いてみたいと思う。とりあえずそれは一般登山道を十分に歩いた後にしよう。
このあと、国見岳から普賢岳を目指した。
一度大きく下って行く。



近くに総合案内板があるので見る。
普賢岳から北側の登山道は一方通行になっていた。
そこで時計回りで普賢岳を目指す事にする。





昔はこの先に鳩穴、普賢池、普賢神社などがあったのだと言う。噴火によって平成新山の一部に飲み込まれてしまったそうだ。



立石の峰へ到着。



こんな間近で見る火山には正直、怖さを感じてしまう。もしも今噴火したら?などと考えてしまうのは僕だけじゃないだろう。




普賢岳を目指して行く。









登山しただけで記念碑が立っちゃう、皇族ってすごい。
そして普賢岳に到着。


背後の平成新山がこの世のものとは思えない雰囲気を醸し出している。







さあ、帰ろう。ちょっと時間も押してきた。







この後は矢岳パーキングエリアまで下るが、サクサク歩いてすぐに駐車場に到着。
本日の山行を終える。
はじめて雲仙岳を歩いたが、この山が特別な山である事がよくわかった。
平成新山の周辺は奇岩が形成する不思議な風景に目を見張る。
四季を通じて楽しんでみたい山だ。
次回は積雪期に霧氷を見に行ってみたいなぁ。
登山
2018年11月29日(木)
妙見岳〜国見岳〜普賢岳 縦走(1)
2018/10/28
長崎県を代表する山と言えば、やはり雲仙岳だろう。
今でも活動し続けている活火山、雲仙岳、1990年に噴火し、火砕流で犠牲者が出たことや、平成新山という山の誕生など記憶に新しい・・と思っていたが、もう28年も前の事なんだなぁ。

雲仙岳の登山適期のひとつは、紅葉が見頃の10月下旬から11月上旬。
バイクで走って雲仙岳の紅葉を楽しんできた。

矢岳パーキングエリアから仁田峠を目指してあるき出す事にする。

今回も山渓のガイドブック『長崎の山』を参考にコース設定したのだが、矢岳パーキングエリアから仁田峠を経由して普賢岳を目指すコースはこの季節は個人的にはあまりオススメできない。
普賢岳付近の周遊の楽しさと比べると、矢岳パーキングエリアから仁田峠への道はあまりにも地味であり時間がもったいないからだ。仁田峠から登り始めたほうがずっと時間を有効に使えるし、雲仙の自然をゆっくりと満喫できるはずだ。
※紅葉の時期、仁田峠や矢岳パーキングエリアなど満車&交通渋滞がすごいので駐車場に停まれない可能性もあります。矢岳パーキングエリアから登り始めるのはミヤマキリシマが咲いている時期(5月下旬)などが良いみたいです。
ここから仁田峠まで、どんな道かと期待が膨らんだが、どこまでも舗装路が続いている。
雰囲気は悪くは無いのだが、登山口を目指して林道を歩いているような気分なのだった。

仁田峠へ向かう途中、いくつかの石像が祀られていたが、そのひとつを見ると『弘法大師像』と書いてある、弘法大師はいろんな場所で見られるのでその影響力の大きさを感じる。仏教界のスーパースターなんだろうな、たぶん。
仁田峠に到着。

いつにもまして車と人が多い仁田峠、駐車場はほぼ満車状態。
車の間を縫うように歩いて、ロープーウェイ乗り場方面へと進む。
普段着の観光客と登山客が入り混じっている。
ロープウェイも盛況でチケットを求める人で列が出来ていた。


登山口から妙見岳へと向かう。

※もうひとつの登山口はロープウェイ乗り場の脇から太い道が伸びている。僕はそちらの道は下山路として使った。
登山道の雰囲気や山の斜面が美しい。

少し歩くだけで、この山は特別な山なんだなとわかる。


風景もすばらしいが、振り返ってみれば、南島原方面がすっぽりと視界の中に入ってくる。


これでも例年よりは紅葉の美しさはイマイチなんだとか。


いつでも振り返れば大絶景なのだが、高度を上げればあげるほど視野が広まり、絶景も凄みをましてくる。
この眺望の素晴らしさは妙見岳の展望台で極大に達する。
ロープウェイの駅に到着。



駅の上にはWCと、屋根のある東屋、自動販売機も置いてある。缶コーヒーなどが150円、こういう場所としては良心的な価格設定。駅屋上からの展望も良い。ここからは登ったり下ったりするロープウェイの車両が良く見える。

ここから妙見岳の展望所はすぐそこ。






展望所は上中下段の3段あり、それぞれがすばらしい眺め。
というより、この先、いろんな方角、いろんな角度からの絶景の連続。
すぐそこにある平成新山からは白い煙が立ち上っている、わかってはいたのだが、おもいっきり火山だ。

展望台から近くに赤い鳥居があり、『登山道』の文字。

それ以上はちゃんとした登山靴などあった方がいいかも、ただ若い人は勢いにまかせて進んだりするのかもしれない。
基本的に道ははっきりとしているし、むしろはっきりしてない所は樹木など邪魔でとてもあるけたものじゃないので迷う人はほぼ居ないと思われる。この先で迷った人はよほどの方向オンチで救いようがないレベルだと思う。

しっかりとした屋根がついているが、これは噴石などが飛んできた時でも、ある程度の防御力を確保するためのものだと思う。実際噴石が飛んできたときはこの屋根の下に入って身をまもると、パンフでも書かれている。ちなみにこの神社、平成新山からは1.4kmぐらいの所にあるのだが噴石は余裕で届く位置なんだとか。
※神社裏手にある妙見岳は危険のため立ち入り禁止になっています。
妙見から国見岳方面へ、途中の林相もすこぶる良い。紅葉は若干終わりかけているのだが、この道を新緑の時期に歩いたならさぞかし気持ちが良いだろうと思う。

樹間から展望がある。紅葉などが良く見える、来て良かったと心から思う。







国見岳が見えてきた。

壁のようにそそり立つ斜面と岩が描くまだら模様が印象的、ちょうど登っている人がいたので、立ち止まって見ていた。
ひとりは鎖をにぎり、女性は岩を巻きつつ登っている。

国見岳の南斜面にとりつく、なかなかの急斜面で道も広くはない。
下山してくる人とすれ違うのに若干面倒である。
下から見えていた岩場に到着。上のコースは岩のコースで鎖がうってある。
下の方は岩の根本を巻きつつ上へ乗り越してゆくコース。
僕は下の道を歩く。
ここの岩場もそんなに難しくもなく、どっちのコースも補助的に鎖がうってあるので、必要があれば使ってゆく。3点確保の基本に忠実に動く。
※3点確保(3点支持とも言う)とは、両手、両足のあわせて4点の内、かならず3点が壁をとらえた状況にしておく事を言う。つまり両手足の内、動かすところは1点に限る・・という事だ。またこういう場所はハシゴを登るように、足に体重をかけて、手は補助的に使う。どっしりと安定した状態で登る事で間違いが起こらない。

鎖場は僕の記憶では2〜3箇所だった気がする。どちらもまったく難しくはない、小学生の上級生ぐらいの子も親と一緒に登ってきていた。アスレチック感覚で楽しいのだ。



国見岳の山頂に到着。


テラスの様な岩、狭い山頂が印象的だ。眺めは最高で、下方には普賢岳紅葉樹林、遠方には有明海。そしてすぐそこに白煙を履き続ける平成新山の溶岩ドームも良く見える。
ちょうど山頂にいたおじさんと話す。福岡の八女から来られている方で早朝車で走り、ここまで紅葉を見に来たのだそうだ。ここ(雲仙岳)はどこからでも良く見えると言っていた。雲仙岳は独立峰で遮るものが無いので、よく目立つんだな・・と改めて思った。

普賢岳紅葉樹林の方をよく見ると、稜線上の小ピークに5〜6人の人影が見えた。破線すら設定されていない完全なバリエーションルートだ。


良い時間なのでここで昼飯とする。
今日もラーメンを食べようと思う。

狭い山頂で鍋でお湯を沸かしていると、バリエーションを歩いていた人たちが国見岳に登ってきた。
賑やかになる山頂。



食事を終えると、山頂には誰もいなかった。
ちょっと気になったのでバリエーションルートの方へ下ってみる事にした。
つづく。
登山
2018年10月25日(木)
黒木から国見岳、多良岳
2018年9月23日
装備を背負って、バイクに跨がり田んぼの匂いを感じながら走る。
黒木小学校の前を通り、黒木林道を経由して、黒木駐車場の第3駐車場へ到着。
今日はここから多良岳に登ってみたいと思う。

黒木から多良岳まで登りのみのデータ。帰りは同じ道をピストンで帰った。

第3駐車場の様子。普通は第2駐車場に停める、第2にはお手洗いもある。
バイクを停め、ヘルメットを脱いで帽子にかぶり直す。
駐車場にいた男性に挨拶をするが、完全無視される(笑)
初っ端から幸先のよいスタートだな・・と苦笑い。
特に準備運動などせずに装備を整えて出発だ。
なお、この登山をするにあたって参考にしたのは『分県登山ガイド 長崎県の山』

久しぶりの登山だが、特別な気負いはない。
のんびり行こうじゃないか。








八丁谷の看板から、登山口はすぐ。

山の中へ細い道が伸びている。
傍らには棒などが立てかけられ杖として使える。
道標を見ると、金泉寺まで1.8km、多良岳まで2.5kmとある。
またこの場所からは中山峠や経ヶ岳などへも向かう事ができる分岐点だ。
解けた靴紐を結び直し山へ入る。
さあ、長崎の山、多良岳、どんな表情を見せてくれるかな。

人が歩いてなくて、荒れ果てていたら嫌だな・・と思っていたのだが、そんな事も無く。

登山口にあった、杖を借りた


途中は右脇に小さい沢が流れせせらぎの音を聞きながら歩く、ひんやりとした空気も気持ちが良い。

道は何度もくねくねと蛇行しつつ高度を上げてゆく、この日のために無理の無い程度に走り込んで来た、その成果が出てるようで、あまり息がきれる様な事もなく、気持ちよく歩けた。

道中は何箇所にも『レスキューポイント』が設定されている。
緊急時にはレスキューネットワーク協議会に電話を入れて、ポイント番号を伝る。
レスキューポイント202を通過したな・・と頭にいれておくと良い。
また、代表電話番号を携帯にいれておくと尚よいと思う。
※安易な救助要請は迷惑になるし、場合によっては救助費用などを請求されるかもしれないので注意してほしい。

ここは木に杓子(しゃくし)がかけてある。
ザックを下ろし、帽子を脱ぎ、メガネを外して顔を洗う、沢の水を口に含み喉を湿らす、冷たくて美味しい。

登ってゆきながら、何人かの登山者とすれ違う。
あまりまじまじとは見てないが、皆ちゃんとした登山用の装備だ。
全体的には道がわかりにくい場所は少ない。
道標も設置されているし、手製の案内板や、テープなども巻かれている。
ところどころで小さいケルンもあり良い目印になる。
すこしわかりにくい場所でも、周囲をよくみれば道に迷う事は無い。


ここまでくると稜線(山の頂上と頂上を結ぶ線)はもうすぐ。

さて、登山口からここまでは、どちらかといえば谷側の沢に近い位置を通って登り詰めるルートだった。このように谷沿い沢沿いのルートは古道にみられる特徴だと聞いた事がある。古い時代から歩かれてきた歴史のある道なのだろうな、と推測する。
西野から金泉寺方面へと進む。
ことの外、森の雰囲気も良く、長崎の山もなかなかやるな・・と正直関心してしまった。
途中ですれ違う人に道を聞かれるが、この山域を歩くのは初めてなので良くわからないと伝えると、ポカン・・と不思議な顔をされた。
本当はよく知りもしないのに、知ったふりをして、道を教えるというのは山の中では危ないので、対応としてはこれで良かったと思う。

水場は水量豊富。

県立の金泉寺山小屋は、土日祝日のみ営業。
県立という事だがたぶん長崎県立だと思う。
また夏場には、下界との気温差が5℃以上にもなるので、避暑地としても人気らしい。
何人かの登山者が中で休んでいた。
いつか無駄に泊まりに行ってみようと思う。
テントを張る事もできるそうだ。


ちなみに僕は個人的にアマチュア無線機を携帯してきている。アマチュア無線4級の免許を持っているのです。


今回はかるく拝んで通過。また今度じっくり見てみたい。

この周辺では、どこからともなく人が集まっていて往来が活発だ。
佐賀県側からも人が集まっているんだろう。
人が多いと安心感がある。



役行者(えんのぎょうじゃ)さんは、修験道の祖。

その昔、役行者が様々な活躍をして庶民のために尽くし、一本歯の下駄をはいて各地を巡っていた。里の人たちは、その徳を慕い行者の像を祀ったのだという。
この像が祀られていると言う事は、多良岳が修験道の場として知られていたと言う事になる。


鳥居をくぐって多良岳へ登る道は、なかなか険しい。
肩で息をしながら斜面を上がってゆく。
途中は石像などが点在しており、聖地の中を歩いているのだなと気付かされる。

ガイドブックでは鎖場などあると書いてあったので、どのくらい厳しい道なのかと身構えていたのだが、難しくは無い。たぶんこの鎖が効果を発揮するのは冬場、岩などが凍りついた時だ。


登って行き、多良岳と国見岳の稜線へと出る。
近くにある国見岳へ向かう。

国見岳は多良岳の西120mぐらいの場所にある小ピークで標高は996mだ。
山渓のガイドブックではこの場所が多良岳になっている。
多良岳とは特定の場所では無く、この周辺の山の総称なのだという意見もあると言うが、山名に混乱が見られる。
国見岳の山頂は周辺が雑木に覆われてはいるものの、一部展望が開けており、遠方に経ヶ岳や大村湾を見る事も出来た、狭い山頂だがなかなか良い場所だと思った。


国見岳から多良岳はすぐそこ。
階段を登って登頂。

多良岳の山頂に到着、多良顕現が祀られている。



山頂をうろうろ。満足したので、昼飯を食べる。

お湯を沸かして、出前一丁を作った。具は無い。

シンプルすぎる昼食、そして熱いお茶を2杯飲む。
チョコなども適当に頬張る。
この後は写真は無い。
登ってきた登山道を引き返して下山した。
長崎での初めての登山、どこからどうやって登ろうかと悩んでいたのだが、一度登った事でなんとなく次にやるべき事が見えてきた気がする。