カヤック
2021年06月23日(水)
大村湾 漕査 第20レグ(針尾瀬戸)
2021年5月30日に漕いだ。
この日は下小迎の集落にあるスロープを使ってカヤックを出した。今回の漕行では日本三大急潮のひとつ『針尾瀬戸』の横断を行い、その後は江上浦へと入る。
今日は下小迎の小さな港にあるスロープを利用して船を出す事とした。
ちょっとした駐車スペースもあるし、何不自由なく出艇の準備が出来る良い場所だ。
手際良くカヤックを組み立て出発。
出艇した後は速やかに港から離脱する。
小さな港から出て沖を見ると船団の姿が見えた。
全体的に大村湾は水深が深くはないのだが、一部水深が50mを超える所もある、その場所がこの船団が集まっている海域なのだと思う。またこの海域は針尾瀬戸から流入してくる場所にも近いため、潮の流れに乗って魚が集まりやすい場所で、おそらくは大村湾でも随一の漁場なのだと思う。
出艇させてすぐに次の小さな港へ入る。
上陸はしなかったが、カヤック遊びにも使えそうな港だった。
この港はすぐに出て瀬戸を目指した。
前方の半島に地中海を思わせる意匠の『西海橋コラソンホテル』が見えてきたら、針尾瀬戸はすぐそこだ。
ここで軽く針尾瀬戸について説明すると、大村湾は閉鎖性が極めて高い海で、2つの瀬戸を通じて外海とつながっている。その一つが『針尾瀬戸』だ。もう一方の早岐瀬戸は細く、大村湾に流入・流出する海水の大部分はこの針尾瀬戸を通して入れ替わっている。ここでは潮の満ち引きに応じて渦潮(うずしお)が発生し、西海橋の上からみる渦潮は観光の名所ともなっているのだ。潮流の速さは最大で時速17kmにもなる。
このコラソンホテルの手前の海が針尾瀬戸の入り口にあたる部分なのだ。
近づいて行くと、前方に異変を感じる。
写真では伝わりにくいかもしれないが、潮の流れをハッキリと目視できた。
針尾瀬戸を通った海水が大村湾に流れ込んでいる時間と重なっていたようだ。
左から右へと勢いよく潮が流れ込んでいる、大げさでも何でもなく、海の中に川が生まれていた。
しばらく潮流の手前に停まって観察していた。
意を決して、という程の事も無いのだが、カヤックで潮流の中に入ってみると思いの外穏やかですこし拍子抜けする。
周辺では、チョロチョロ・・とまるで川の流れを思わせる音がしている。
潮の流れに身を委ねると、カヤックは海の上でクルクルと楽しく回った。
西海橋の上から渦潮を眺める時、あの渦の上をカヤックで漕いだらどうなるのだろう?とずっと思っていたけど、ただ楽しく周るだけだった。
渦潮というと、ぐるぐると回って引きずり込まれるのでは?などと妄想もしていたのだが、そこまでの力は無いようだった。
潮流が産み出す不思議な現象を気軽?に体験できる稀有な場所かもしれない。
ただ僕が経験不足のため、そこはハッキリとは言えないのだが・・。
(他の海は漕いだ事がないしね・・笑)
ちなみに日本三大急潮(にほんさんだい きゅうちょう)とは、鳴門海峡、来島海峡、関門海峡で、来島海峡に代えて針尾瀬戸を加える説もあると言う事らしい(微妙な立場である(笑))その中でも特に鳴門海峡は日本最大で渦潮の直径は最大で30m、潮流のスピードも日本最速で時速20kmにもなるらしい。それと比べれば随分と可愛いものかもしれない。
それと急潮の中をまっすぐ漕ごうとすると艇が流される感覚はハッキリとあり、若干ではあるが進路も定まりにくいので、漕ぎも少しばかり忙しくなる、でもきっと僕の顔は楽しくてニコニコとしていただろう。
今回、針尾瀬戸横断のタイミングで丁度、急潮が発生していたのは運も良かった。
大変貴重で楽しい時間を過ごす事もできて大満足であった。
(ちなみに帰りも針尾瀬戸を横断したが、渦潮は発生していなかった。)
針尾瀬戸を横断した後は、海岸の岩を横目に進む、海底を見ていると岩にへばりついたチヌの姿なども見られた。
そしてこの先、明星ノ鼻をまわるとすぐに港が見えてきた。
この港はコラソンホテルの露天風呂から見えている港だ。
大きなスロープがあり上陸してみると、近くには牡蠣小屋などもあった。
ちなみにこの港は釣りは禁止との事らしい。
さらに港を出て北上、すぐの場所に上陸出来そうな浜を見つけた。
すこし離れて北側にキャンプ場が見えていた『西海橋オートキャンプ場』だ。
この後は錐崎(きりさき?)をまわって、江上浦へと入る。
波も穏やかで釣りイカダも浮かんでいる静かな場所だった。
途中でカヤックの出艇に使えそうな小さな浜があった、次回はここからスタートしても良いと思う。
もう少し進んでみよう。
そして最終的に到達したのが、針尾東町にある小さな漁港だ。
さあ、今日はここまで。あとは引き返しながら竿を出して遊んだ。
針尾瀬戸の入り口まで戻ってきたが潮流の流れもなく、午前中とは変わって小さい個人所有の漁船が集まっていた。
僕もここで粘って竿を出してみたが、反応はゼロ。
こんな感じでこの日の漕遊を終了。次回は江上浦の最奥まで漕ぐが、どこまで漕ぐ事が出来るのか、情報収集に努めて臨みたいと思う。