カヤック

2018年08月17日(金)

諫早市の有人島、鹿島(かしま)

竹島から鹿島へ、その距離わずかに270m。

小魚の群れが勢いよく飛び跳ねていた。

その様子をカメラに写そうと何度か試みるが、なかなか難しい。
カメラを構えると現れず、ファインダーを覗くのをやめると飛び跳ねてくる。

鹿島へ近づくと、島の東に“あのポール”が立っていた。
臼島にもあったけど、これは何の目印だろう。

鹿島の沿岸を漕ぐ、次々といろんな人工物が見えてくる。

島で作られた蜜柑を船で運ぶ時に使う桟橋のようだ。
錆びた農業用モノレールの軌道が見えた。

その先では、島に電気を供給する電線の存在も確認できた。

※鹿島は農業の島だと言う、島では蜜柑が作られる。その蜜柑は船に積まれてここから出荷されるのだろう。また農業で使われる道具や消耗品もここから荷揚げされているのかもしれない。

鹿島も竹島のように、2つのコブがあり、その真中にはいわゆる“鞍部”が存在する。
絶好の上陸ポイントだと思っていたが、海上には漁具が仕込まれておりカヤックで接近が難しい。すぐそこには小屋もある。人影は見えなかった。

ちなみに鹿島は以前、2つの島だったそうだが、この2つの島が砂洲で繋がってひとつになったと言う事だ。

シーカヤックにおける鹿島の数少ない上陸ポイントだと思われる。民家すぐそばの潮間帯(ちょうかんたい)。

島の民家が見えてきた。潮風に当たり続けた事で色が抜けたような、そんな灰色をした民家が並んでいる。

民家のドアは大きく開かれて、干してある服などが見えた。
風通しが良さそうで、気持ちよさそうだ。
同じ長崎県でも、島の生活は我々のそれとは全く違う事が瞬時に理解できた。

いつか上陸してみたいと思いながら、島の南側を進み、民家から離れて行く。

ネットで鹿島を調べると、漁船をチャーターして上陸している方のホームページを見る事が出来た。勝手に上陸しても怒られないのかもしれない。

※島の南側の海、海底まで2mほど、透き通って海底がよく見える。

見ていると魚のチヌ(たぶん)がのんびりと泳いでいる。

島の緑を反射して、美しいエメラルドグリーン。

水面も穏やかで、漕ぎをやめると、シー・・ンとしている。
潮の香りと、島のそびえ立つような緑が深く印象に残った。

そのまま島の西側へと回り込み・・。

崖の様子、竹島と同じ地質のようだ。
島の西側にある印象的な露岩(?)この岩はgoogle earthでも確認できる。

小魚が飛び跳ねているところを辛うじて撮影する事が出来た(上の写真)
写真で見ても面白くないかもしれないが、実際に目で見ると、良いものを見た気になる。
あちこちで群れが飛び跳ねていた。

時計を見ると3時を回っていた。
帰る事にする。

漕ぎつつ横目で竹島を眺める。
あの島に立った・・という、ただそれが嬉しかった。

そこから静かな大村湾を進んだ。
この場所からはいまいち“どこから出発したか”がわからない。
だいたいの方向はわかるので、そちらへ漕ぐ。

ちなみに地図は持ってきてない。
そんなものは必要がない。
大村湾は四方に陸があり、すぐに方角がわかる。
でも、もしかしたら、濃霧でホワイトアウトしたりする事もあるんだろうか。
その時はコンパスを見ながら進むしかない。

長崎空港はよい目印になる。また島も良い目印になる。

左手を見ると・・海上に雨が降り注いでいた。
あそこだけ雨が降っているのだ。

海上で雷雲が近づいてきたらどうしたら良いだろう。逃げるしかないのだろうか。

出発地点の波止に到着。家族連れが遊んでいた。
なんとなく誇らしい気持ちで、カヤックで近づくけど、まったく反応なし。

波止の突端ではなく、波止の根本に小さい浜があったので、そちらへ漕いでみたが、海底の岩でボトムを擦りそうだし、水が汚かったので、波止の突端へ漕ぎ直して足を濡らしながら上陸。この日の行動を終えた。全身塩まみれの気分でバイクに乗り帰った。

最後に当日の海水温を参考までに。

カヤック

2018年08月08日(水)

諫早市の無人島、竹島へ(3)

諫早市の無人島、竹島。洞穴探検が終わったら、
次は島をぐるりと回ってみる事にした。

島の鞍部は崖になっているので、こちらからは上陸出来ない。

写真でみると、そんなに高そうには見えないが、実際は4〜5m以上ある。

島を下から見上げる、ゴロゴロと石が印象的、そして松が生えていた。

海は凪いでいる、カヤックの上でカメラを構えての撮影。

潮の流れはゆっくりでも、カヤックが徐々に流され回転する。
撮影に夢中になっていると、艇がいつのまにか流され岩へ接触しそうになる。気をつけなければ・・。

島の断面、日本シームレス地質図によれば、後期中新世(N3)に火山岩類(非アルカリ火砕流)に分類されている

約700万年前〜170万年前に爆発的噴火により高速で流れ下った軽石や火山灰(火砕流)との事だが、見た目もそんな感じだ。

崖の波打ち際が波で削られて凹んでいる。
ここに波が入り、ドボン・・ドボン・・とユニークな音を立てていた。

島の側面には向こう側(島の反対側)まで貫通している穴も見られた。
空身で泳いで向こう側まで泳げるかもしれない。
(ぜったいにやらないけど)

島の東の突端を回って、南側へ移動する。

竹島の南側は北側と違い、比較的なだらかであり、カヤックを寄せて上陸できそう。

上陸できるとは思ってなかったし、完全に予定外だったが、上陸を試みる。

こういう島への上陸は思ったより難しい。
というのは、海底から岩が突き出していると、カヤックの底を擦ってしまう。
カヤックのボトムは布とは言え、頑丈な素材であるが、それが鋭利な岩だと裂けてしまうかもしれない。
海底に目をこらし、島へと接近するが、海底に隠れている岩を探すのは言うほど簡単では無い。かなり接近しないと気が付かない。

もうそろそろ、艇のボトムが岩に擦りそう・・というところでカヤックから海へ降りたが、カヤックはぐらつくし、思ったより深くて、股下まで海水に浸かる。

カヤックを引っ張ってゆき、持ち上げて浜へ上陸。

ちょっと島へ上陸して、すぐに引き上げるつもりなので、係留などはしない。というより係留の方法がわからない。

たぶん『もやい結び』を使って、何かとにかく頑固そうなものに接続するのだと思うが、港などに行って係留している漁船を見ると、もっと複雑な結びが使われている。

とりあえず、水筒だけ持って、島の上へ。

竹島は東西に長い島だ、島の中央は凹んでおり、鞍部のようになっている。この部分は潮の影響を強く受けるのか、植物がほとんど生えていない。上の写真は島の西側から東側を見て撮影。

上陸したのは島の鞍部だ。
岩がゴロゴロとしている。

すぐにここはキャンプできそうだなぁ・・と思った。

岩だらけの島だ、これは軽石なのかもしれない。

この後、島の西側にある三角点を見てみようと思って歩いて行ってみた。

蜘蛛の巣が多くて進みにくい。

蜘蛛の巣を払いながら進んだが、途中で松の枝が邪魔をして進めない。
強引に突破する事も出来るのだが、今日はやめておいた。

次は島の東側から西側を見る。

島の北側は崖、南側はなだらかである。
向こうに見えているのが鹿島。
島の西側はヤブが濃い。

元々上陸するつもりはなかったので、島の探検は今回はやらない事にしました。また今度。

艇に乗って島から離れる。
隣の鹿島へ向かいながら、竹島を観察。

南側はいろんな場所から上陸できそう。

竹島の西には、謎の棒が立っていた。

竹島の西側の岸、複雑な地形。

そして、すぐそこに見える鹿島へ向かう。

次回は海の上から有人島の鹿島を見て回ります。

カヤック

2018年07月29日(日)

諫早市の無人島、竹島へ(2)

竹島の洞穴の中はどうなっているんだろう。
一度気になると確かめずにはいられない質。

パドルをそっと水面に刺し、ゆっくりと動かして、そろそろと近づく。

潮の流れはあまり感じない。漕ぎすぎて思わず進みすぎる。
カヤックを岩にぶつけないように、慎重な操船が必要だ。

パドルをちょんちょん・・と水面に入れて、動きを止める。
忙しいぞ。

目の前の地層と岩。

洞穴の奥を見ると奥行きは10m以上はありそう?
僕のカヤックはすっぽりと入ってしまいそう。

外から穴の中をよく見る。
周辺を良くみて観察する。いろんな石が壁に埋まっていて面白い。

まるでボルダリングのウォールのようだ。

漕ぎ進みながら左手を見た所、海底から飛び出している岩が棚の様になっている。ひとつ上の写真と見比べると位置関係がわかりやすいかもしれない。

洞穴の奥を見ると内部に光が差し込んでいる。
奥の方は天の部分に穴があるのだろう。

奥を見た所、光が上から差し込んでいる(ように見える)

洞穴内部には2ヶ所侵入口がある、右側が大きいのでそちらへ入る事に決めた。

進みながら、洞穴の壁を見る。バスケットボールぐらいある岩がごろごろしている。この石が落ちてきたら僕の華奢なフォールディングカヤックはひとたまりもなく沈没するだろう。

ちなみにこのあたりは海底まで1mぐらい。
洞穴の壁を見るとフナムシが元気よく走り回っている。

右側の壁の一部に穴が空いており、向こう側まで一直線に貫通していた。

向こうまで5〜6m以上はある(?)貫通穴、人がギリギリ通れそうなぐらいの大きさはある。

地質的に海水に溶けやすい部分が抜けて穴が空いたのかもしれない。

洞穴の奥まで10m以上はあったと思う。
水深も急に浅くなった。

洞穴の内部の岸に静かに波が打ち寄せ、かすかに音を立てている。

目の前の地層と岩。

右上に大穴が空いて緑が見えていた。

この崖もそんなに高くはなく、登ろうと思えば登れそうだが、そんな面倒な事はしない。

左手を見ると、こちらも縦に割れており、向こう側が見える。
洞穴を外側から見た時に上から光が刺し込んでいるように見えたのは、この割れ目の光だった。

この洞穴の奥には全長430cmのアルピナ2がギリギリ回転できるスペースがあった。慎重にパドルを操作して、ゆっくりと回転する。

洞穴内部から外を見た所。

あまり長時間いる様な所では無い気がしたので、
そうそうに立ち去る事にした。

穴の向こうに大村市の臼島が見えた。

竹島の洞穴の内部を見る事が出来て良かった。

ここからは時計回りに竹島を回り、そのまま鹿島を偵察してみようと思う。

ワクワクが止まらないぞ。

続きます。

カヤック

2018年07月25日(水)

諫早市の無人島、竹島へ(1)

大村城の裏手からカヤックで出撃できるとの情報を弟から得た。
彼は顔が広く、社交的なので、すごい勢いで情報を仕入れてくる、心強い。

早速カヤックを背負い、納車されたばかりのクロスカブで現地へ向かった。

駐車場の端にバイクを停めた、海はすぐそこ。カヤックの出撃場所として最適なポイントだ。

この場所は玖島城(大村城)の一部で『新蔵波止』と言う場所だ。
過去には藩船などの発着に利用されていたらしい。

波止と言うだけあって海に突き出しており、たしかにカヤックで出撃するにはうってつけの場所と言える。

カヤックを背負って波止へ行くと、なぜか白鳥がそこにいた。
卵でも暖めているのだろうか?と思ったが、そうじゃなさそうだ。
すぐそこの海では、もう一羽の白鳥が海に浮かんでいた、白鳥のつがいなのだろう。

白鳥は人間が近寄っても微動だにしない。
白鳥の脇をすり抜け、そこでカヤックを組み立てた。

今日は『バータイプ・フットプレイス』を装備してみた。
これはカヤックを漕ぐ時に足を踏ん張れるようにする艤装だ。

最初から持っていた装備なのだが、装着するのはこれが始めて。
着け方が間違っているかもしれない(笑)

カヤックを組み立てた後はすぐに出撃する。

波止場の突端へカヤックを運んで海に浮かべた。

カヤックへ乗り込むが、バランスが難しい。
ぐらぐらと揺れて、両足が海の中へドボンと落ちて濡れた。
危なかった。

そんなこんなで、なんとかカヤックに乗り込んだ。

この時は特に目標は無かった。

ただフォワードストロークの練習をしようと思い、
前方にある、鹿島・竹島方向へ漠然と漕いだ。

カヤックを前に進めるための、最も基本的な漕ぎが、フォワードストロークだ。
この漕ぎについては、その方法論がいろんな本で述べられている。
だが話者によって、そのやり方にはバラつきが有るように感じられる。

艇から遠い場所を弧を描く様に漕ぐと、艇には曲がろうとする力が加わる、だから出来るだけ艇に近い位置を漕ぐ、ただし漕ぎ始めから途中まではそれで良いのだが、艇の中心部分から後ろへ漕ぎ抜ける時は、丁度上から見てハの字になるようにパドルを動かす。
こうする事でカヤックが曲がらずに真っ直ぐ進むという。
本当だろうか・・。

その教えに忠実に漕ぐ、自分から出来るだけ遠い所の海中にパドルを入れ、真っ直ぐ引き、自分の横を通過してからは外へ逃がすようにしてみた。

すると今までよりも、曲がる力が弱くなり真っ直ぐ進んでいるような気がした。遠くに見える島をしっかりと見据えて、気持ちよく漕ぎ進める。

本当にこの方法で良いのか、まだわからない、ただ今までよりはずっと良い気がした。

恐らく漕ぎ方にもいろんな方法がある、どれが正しいとは一概には言えないのだろう。
人に教えたもらったり、本から得た知識は参考にはなっても自分にとってそれがしっくりくるとは限らない。
最終的には実際にやってみるしかない、そして自分にピッタリな方法を探るのだろう。

ビルジポンプを海に浮かべてみた、この後回収するのが少し面倒だった。

漕ぎながら、ビルジポンプの事を思い出して、使ってみる事にした。
ビルジポンプはカヤックの中に侵入した水を排出するための安全装備だ。

ためしにビルジポンプの底を海に沈めて、ポンプを上下させると、水がことのほか勢いよく排出される。イメージとしてはポンプを押し込むと水が飛び出るのだが、その逆でポンプを引くと水が飛び出てくるので、これは意外だった。

漕ぎ進めていたが、時計を見ると午後1時になったばかりだった。
しばらく考えたが、よし、目の前のあの島まで漕いでみようと決める。
だが行き当たりばったりと言うわけでは無く、この旅の計画は前から頭の中になったし下調べもしていた。

島をじっと見ながら進む。

今日は気温は高いが風も強くて気持ちがいい。
その変わり、波もそこそこ高くなってきた。
波が艇の側面を叩く、水しぶきがあがって艇の中へ少し入ってきた。
漕ぎながら波を見ていると、たまに大きい波がやってくる、そんな手頃サイズの波がくると思わずニンマリと笑ってしまう、楽しいのだ。

周辺を見ると洋上には漁船の姿は無い、
ここぞとばかりに大声を出してみたが、この声いったいどのくらいまで届いているのだろう。

さて、ここで今回訪ねた、竹島と鹿島の位置について簡単に説明しておきます。

鹿島(かしま)と竹島は長崎県諫早市の多良見町に属する島。最寄り駅(と言っていいのか)は長崎本線の大草駅。鹿島は舟津郷黒崎の沖合300m、伊木力漁港から自家用船を使って5分で定期船は無い。

玖島城(大村城)裏の『新蔵波止』から直線距離では3.21km

1時間以上漕ぐと、竹島と鹿島をはっきり目視できる距離まで近づいた。

Googleマップでは見る事が出来ない、島の姿に胸の高まりを感じる。
竹島の側面にはっきりと地層が見えてきた。

右側に視線を移すとこちらは有人島の鹿島、木々に覆われているので、遠景の山々にとけこみ写真ではわかりにくいかもしれない。

諫早市 竹島

まずは竹島に接近してみる事にした。
ここからはゆっくりとパドルを漕いでゆく。

諫早市 竹島

近くに行くとわかったのだが、島の側面に洞穴のような穴が確認出来る。

左側に視線を移す、島の中央部は凹んでいるが、それでも高さのある崖になっており上陸は難しそうだ。ただ海に飛び込んでよじ登れば登れない事もなさそう。

島に接近して、もっとよく観察したくなった、洞穴の近くへ進む。

諫早市 竹島

奥は薄暗いが、どこからか光が差し込んでいるのか、ほのかに明るい。
先程までは風も強く波もあったが、今は風はやみ、凪いでいる、すこし躊躇ったがカヤックごと中へ入ってみる事にした。

続きます。

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