登山

2023年11月27日(月)

長与町 丸田岳〜仙吾岳

いつものガイドブックを見て山を歩いてきた。
今日は稗ノ岳・丸太岳・仙吾岳の3山を歩く予定で出かけたが稗ノ岳は歩く事が出来なかった。

この季節この山域では希少なダンギクの花を見る事ができるそうで、その花を愛でる事が今回の山の目的だ。

今回の山行の長崎でのおおよその位置は以下。時津町、長与町、諫早市に囲まれている。

丸太岳の位置、長与町に位置する。
丸太岳と、仙吾岳、稗ノ岳も。
GPSの航跡。拡大可能

歩き始めはJR長与駅から、まずは西口へ向かい近くのコンビニで買い物、お手洗いを済ませた後、東口へ移動。
東口前はタクシー等が止まっているターミナルになっていた。駅から出て真っ直ぐ進むと長与川に橋がかかっている、たしか長与橋だったと思うが橋の向こうには坂が見えているので登ってゆく。

JR長与駅、コンビニは西口側だ。
長与橋を渡るとすぐ正面に坂があり登ってゆく。
坂の途中にある『中尾城公園』前を通過する。
中尾城公園にも駐車場があるのでマイカーの場合はここを利用するのもあるか。
ヤマケイのガイドブックは地図の拡大図が無いので、詳細がわかりにくい。公園の駐車場を見送ったあとの分岐では迷いそう。ここでは左の道を下へ下ってゆく。

この場所にはガイドブックには無い道標があるが、あくまでもガイドブックどおりに歩いてみる。

ガイドブックには無い道標。とりあえず無視する。
山の中は霧が深そうである。舗装路を下る、このあたり道がやや複雑だった。

舗装路を下ると『南田川内(なんだごうち)』の交差点に出る、この場所に道標があるはずだが見えない。
ガイドブックを見ながら道なりあるいてゆき、ミカン畑を目指した。

車道を歩く。
丸太岳と書いてある道標。

坂を登ってゆき所々でミカンの畑を見ながら坂を登る。

ところどころで道標が出てくるので見ながら歩いた。

しばらく歩いて稗ノ岳直下の神社へ。

稗ノ岳直下へ。
稗ノ岳神社に到着
稗ノ岳神社はこじんまりとした小さい神社だった。

この神社の裏手に稗ノ岳へ向かうちょっとした崖がある。
ロープがかかっているので、これを頼りに登るのだが、雨後であったため、石がつるつる滑るのとロープも濡れていたためこの日は登らない事にした。ちょっと足を乗せるとツルンと滑ったのでやめることにしたのだった。

崖の様子。ここをロープを頼りに登る。
このロープどこまで信用していいのか、若干不安である。

登っている途中で落ちれば怪我はすると思うので無理に登る必要はないと思う。
ここで無理をしなくてもこの後すばらしい景観を見る事はできる。

稗ノ岳を見送ったあとも、地味に林道を歩いて進む。

道標がわかりにくい場所もあるため若干迷う。

しばらくの間はテレビ中継塔を目指して歩いてゆく。

ここから山。
テレビ中継塔。

テレビ中継塔の脇から山へ入る、登山道が伸びているので道なりに歩く。
山に入ったところで尾根を横断するようにイノシシが走っていくのを見る。
一瞬ギョッとするが、同時にニヤニヤしてしまう。

途中見かけた『多角点』と書かれた杭、私の勉強不足だが長崎では初めて見る杭が多い。

程なくして丸太岳の山頂へ到着。

山頂には烽火台があるらしいがこれかな。

江戸時代にはこの烽火台を使って黒船の来航を知らせたとあるが、他でみた烽火台と比較して随分小さいものである。

山頂からは近くに展望台がある。
展望台からの眺めは・・可もなく不可もなく。

次は丸太岳を後にして、進むと、仙吾岳・タンタン岩の分岐地点に出て道標があるので、タンタン岩へ。

進むと行き止まりっぽいが、これを乗り越えて進むんだところが『タンタン岩』

タンタン岩からの眺めは素晴らしく今日一番の眺望である。

足元の岩はデコボコしており下方は高度感のある場所なので転落しないように注意が必要だ。
このタンタン岩は、長崎が舞台となった映画『サバカン』のロケ地らしい。

凸凹した岩を慎重に下って岩の先端へ出る。すばらしい眺望であるが注意して楽しむ。

10月にはダンギクの群生を見る事が出来たが、なんとなく形が小ぶりな気もする。栄養が足りてないのかな。

何度見ても不思議な可愛さのある花であると思う。
日本でもごく一部の地域でしか見られない貴重な植物だ。
なお、このような花は特殊な環境下でしかうまく育たないので(だからこそ自生地が限られている)持ち帰るなどしないでいただきたい。

タンタン岩の先端から下を見る。落ちると死ぬね。
タンタン岩先端からの眺め、満足。

タンタン岩の近くには2つ説明板があったのでメモを載せておく。

近くにあったタンタン岩の説明。

雨が降った時、雨水のしたたり落ちる音がタンタンと聞こえることから、タンタン岩という名が付けられたという説もある。この岩体は、侵食に弱い火山カクレキ岩層が急な崖を形成している。今から200万年ほど前爆発した長崎火山の周辺部に位置しており、侵食や風化が著しいため異様な風景を呈(てい)している。ちなみにタンタン岩には怪物が現れて、村の若い者にお告げをしたという長与の昔話しもある。

長与ふるさと自然のみち タンタン岩(250m)説明板より

丸田岳から北方約150メートルのこの地は火山角レキ岩からなり、眼下にアカガシ・トベラ・シャリンバイ、奇岩上にはノキシノブ・カタヒバ・イワマツ(イワヒバ)カワラヨモギ等が自生し、中でも中国・朝鮮半島から日本に入ってきた大陸系植物であるダンギクは特筆すべきである。

コデマリに似た種はイワガサ(岩傘)である。蝶類には、ウラギシシジミ・ミカドアゲハ等が見られる。
本コース、テレビ中継等の付近の山際には夜行性であるイノシシの牙のあとが見られる。注意を要す。

長与ふるさと自然のみち タンタン岩周辺の植物・昆虫 説明板より

さて、この後は仙吾岳へ。

特に眺望もなく地味な仙吾岳。

山を下って集落へ。

長与ダム

そしてJR本川内駅へ、ピンク色の駅舎で可愛い。
この駅は過去には珍しいスイッチバックが採用されていた駅らしくその跡が見られる。
駅についたらコーラーでも飲もうと思っていたが自販機すらない。

長与ふるさと自然のみち

と、駆け足ではあるが、こんな調子の山行である。

登山

2023年05月31日(水)

諫早市・長与町の琴ノ尾岳

2023年3月5日に歩いた。

この日は長与町と諫早市の境にある琴ノ尾岳を訪ねた。

琴ノ尾岳は標高451メートルの山で、これは長与町では一番高い山となるらしい。
ガイドブックによれば、長崎火山の最北端の山とも書いてあったが、長崎火山という言葉があまり一般的な言葉では無いようで、調べる事が出来なかった。なお長崎にも多くの火山が存在しているが、現在活動しているのは雲仙岳だけのようだ。他のものは過去数千年以内、活動が確認されていない。

琴ノ尾岳の位置、諫早市と長与町にまたがる。
『琴ノ尾岳』と県立公園の『堂崎ノ鼻』
GPSの航跡だ、拡大可能である。

ガイドブックではスタート地点は『琴ノ尾岳登山口バス停』で、長与町の堂崎の鼻近く『堂崎バス停』がゴールとなるが、バイクで移動している自分はピストン山行となるため、ガイドブックとは逆のコース、堂崎の鼻をスタート地点として選んだ、ここから琴ノ尾岳まで歩きピストンで戻ってくる事となる。
登山が終わった後には堂崎ノ鼻にも立ち寄る。

お手洗いもある、駐車場。

出発地点の駐車場は堂崎ノ鼻の駐車場となる、ここから坂を登ってゆき堂崎バス停へ戻る、そこから右へ折れて国道207号線を南へ歩く。途中右側に展望所とお手洗いなどもある、ここには自販機もあった。途中はミカンの無人販売所などもあるのでこれは帰りに買いたい。15分ほど歩くと道標があり、ここが琴ノ尾岳登山口であるが、ここからも延々と舗装路の歩きとなる。舗装路は途中何度も分岐があるが、ところどころに道標も立っているので参考にしながら登るが(若干わかりにくい部分もある)舗装路をたっぷりと歩いた後にはようやく農道出合へ出て(と言ってもただの十字路)ここで舗装路は終わり、林道へ入り、すぐに山へ入って、そこからはすぐに山頂なので、ほぼ全行程舗装路歩きとなった。

堂崎バス停から国道207号線を南へしばらく歩く。
無人販売所のみかんが美味しそう。
ここが登山口だが、延々と舗装路の歩きが続く。

長崎の山は全体的に標高が低い上に、山中まで縦横無尽に車道が走っているため、登山口の標高が高くなったり、もしくは延々と舗装路を歩くようなコースが少なくない、という印象を個人的に持っている。
このコースもまさにそれだ。

途中右手に見える、潮井崎キャンプ場。

このキャンプ場からカヤックを出せば目の前にある『二島』が近い。

さてこの後も延々と舗装路を歩く、写真はかなり省略しているが、けっこう長く歩いた。

延々と舗装路を歩いて到着する、ここが農道の出合い。
農道を歩くとすぐに山へ入れる道標が見える。
やっと山登りらしくなってきた、と思ったらすぐに終わる。

山頂に到着、広場と駐車場もあり車でもやってこれるらしい。
山頂には琴ノ尾神社と境内には三角点があり、これは『琴尾山 二等三角点』だ。
その神社を囲うように展望所が設置されおり、そこからは良好なパノラマを楽しむ事ができる。
大村市や長崎空港、雲仙岳、遠くには長崎市街も見えその奥には白く光る女神大橋の姿も見られる。
ここで昼飯にしようかと思ったのだが、山頂は火気厳禁ということで、バーナーでラーメンを作って食おうという私の計画は実行不能となった。

『琴尾山 二等三角点』
火気厳禁の広場、カップラーメンを食べようと思っていたのだが。
車でも来られる。

ひととおり山頂を楽しんだ後は、来た道を戻って堂崎ノ鼻を見学して帰った。

『堂崎の鼻』は長与町の北端に位置し、大村湾に突き出た岬だ。
ここからは天気が良ければ長崎空港から飛び立つ飛行機を見る事もできる。
近くにある説明板によれば「次代に残そう長崎百景」に選定されているらしく、
とても景観に優れた場所で観光スポットとなっている。
ドライブの目的地や気分転換にもなるのでぜひ訪れてみてほしい、そんな素敵な場所だ。
https://webtown.nagayo.jp/vr/4_douzaki/tour.html

堂崎の鼻、釣人の姿もみられ、若い人も多い。

さて、今日歩いた山は舗装路が多いコースという印象だが、全体的な雰囲気は悪くなかったと思う。

カヤック

2018年10月11日(木)

長与町の無人島、二島へ(4)

二島の岸から離れて漕ぎ始める。

これから島を反時計回りに周って観察し、長崎空港の南側をかすめて大村海岸へ帰る。

ふとみると肩に小さいバッタが止まっている。
このバッタ・・島から脱走するつもりなのかな?

手で捕まえようとするも、どこかへ行ってしまった。
その後、そのバッタの姿は見ていない。
舟のどこかに隠れて大村に渡ったのか、二島へ飛んで戻ったのか、海へ落ちて死んだのか。

さて、今日も静かな大村湾。
波ひとつ無く、海底が良く見える。

下をのぞくと、海底まで2〜3mと言ったところ、
まるでカヤックが空に浮いている様な感覚だ。

島をよく見ながらゆっくりと漕いで進む。

写真には無いのだが、このあたりの海底はとても立体的だ。
比較的浅めの岩礁(棚)があり、そこから急に落ち込む様に深くなっていた。

海岸から離れてすぐ、隠れた上陸ポイントがあった。

崖を見ると、赤い土が印象的だった。
土中に鉄分を多く含んでいるのだろうか・・?

同じ大村湾の島でも、島を形成している要素は一葉では無く、バリエーションがある。
その事に深く興味が湧いた。詳しい人の話しを聞いてみたいと思った。

島の北側を漕ぎ進めて、西側へ移るところにも岩礁がある。
カヤックが座礁すると困った事になるので、そろそろ・・・と慎重に近づく。
浅くなった海を通過、少しカリカリ・・と嫌な感触があった、船底を少し擦った。

岩礁の向こうに見えている島・・。

時津町に属する島、黒島だ。
来年あたり偵察に行ってみようと思う。

西側の海岸。
上陸出来そうな小さい浜があった。

海底を見ると、見たことのない生き物がいた。

白くてふわふわした見た目

ちょっと拡大してみると・・

これは『ウスユキウチワ』という名前の海藻。

島の一番南側の岩礁、ここも上陸できそう。

こんな感じで二島を一周。

桟橋が見えてきたね。

二島を背にして長崎空港方面を目指す。

相変わらず船首があらぬ方向を向こうとするのだが、
今日は先日ほどは無い、前方から緩やかな風が吹いているようだ。
カヤックと言うものは基本的には流体力学的に風上を向く様に作られているらしい。

無線機の電源を入れてラジオを聞きながら漕いだ。
無線機は防水では無いが、カヤックがひっくり返る気がまるでしない。
漁船が激突してくるぐらいの事がなければ大丈夫だろう。

ラジオから加藤登紀子さんの知床旅情が流れてきた。
気分が良くなって鼻歌など歌う。

何か気を紛らわせなければ、やってられないほど変化がない。

空を写す大村湾。

写真を撮影していると、どこからともなく蠅(はえ)が飛んできた。
大村湾とは言ってもここは海のど真ん中。
このくらいの海だと海上でも蠅が飛んでいるのか、
それとも僕のカヤックに乗ってきたのか。

水滴で水紋が生まれるほどの凪。

長崎空港の南をかすめて・・

長崎空港の誘導灯が見えてきた、手前では稚魚の群れが飛び跳ねている。

大村海岸から二島まで、約4時間。
その逆走、二島から大村海岸まで約3時間の船旅だった。

最後に二島の地図を掲出しておく。

と、こんな具合で初めてのカヤックでのキャンプツーリングを無事に終える事が出来た。
キャンプ中の過ごし方、酷暑での幕営の方法など、課題は残った。
漕いでいるときは退屈に感じても、今こうしてパソコンの前に座っていると、また海に遊びに行きたくなっている自分がいる。

さて、僕的にはそろそろカヤックのシーズンは終わり。
あと一度、海で遊べたら良いと思っていて、これからは長崎の山へと向かって行きたい。

カヤック

2018年10月04日(木)

長与町の無人島、二島へ(3)

昼はあまり食欲が無く、適当に腹が減ったら食べ始めようと思っていた。
それで肉を焼き始めたのが4時ぐらい。昼飯には遅いし、夜食には早い。
特にやる事も無いので、本ぐらい持ってくればよかったな・・と反省していた。
スマホの電波(ドコモ)は届いていたのでスマホをポチポチさわっていた。

島で遊んでいた人たちも、船やジェットスキーで帰って行く。
帰り際におじさんから氷をいっぱいもらった。
「今日は島に泊まるんですか?」などと
若者と少し話しをしていたら、
おじさんが「あれ友達?」って言うので振り向くと

別のシーカヤックが一艇だけ上陸してきた。

これから独りで無人島でキャンプ・・と思っていたので、これには不意をつかれたな。

カヤックを見ると、僕のカヤックとは違ってもっと本格的な、まさにシーカヤックである。

艇はクオリティカヤックス (Q-kayaks)のペンギンのようだった。
反りが強いボディ、深みがあるのに鮮やかなブルーが美しい。

参考(Q-kayaks) http://q-kayaks.co.nz

30代ぐらいの男性のカヤッカーで(以下Aさん)、開口一番、今まさに帰ろうとしているおじさんたちにあまったビールください、などと言って、おじさんも「おう!!いいぞ!!」
みたいな感じで応えていた(友達か・・!!笑)
対人スキルが高くて驚いたな。

Aさんは両手に発泡酒をたくさん持ってきて、
僕にも2本わけてくれた。

とりあえず、アルコールをわけてくれる人はもれなく良い人である。

まさか無人島でこんな冷たいアルコールを飲めるなんて、思ってなかったな。

ほんと嬉しい。

僕は両手に発泡酒をもって、手を広げて帰ってゆくボートの人たちに
「ありがとう〜〜!!」と言ったら、向こうの人も手をふって応えてくれた。

もらった氷に突っ込んだ。

Aさんと話しをすると僕のブログを見たことがあるみたいだった。
なんとなく嬉しい気分になった。

僕が二島でキャンプをする予定である事を知っていたので、もしかして“かぶる”のでは?と懸念(?)していたようだ、ちょっと申し訳ない気もした。

静かな無人島だ・・。

陽も斜めになってきた、ほんとやることが無いので、植物の撮影をする事にした。
狭い無人島の上をぐるぐると歩き回る。

ハマエノコロかな?
山菜のギシギシ、ヌメヌメして調理の仕方によってはけっこう美味しい。
この虫は、クロウリハムシ、幼虫のときは土の中ですごし、成虫になってからは越冬する。

オンブバッタ(だと思う)、身体が大きいからメスかな。

人が居なくなったところで桟橋を改めて撮影してみた。

長与町は半ば管理を放棄したようだが、想像していたよりずっとしっかりしている。

ただ桟橋の根本部分は腐ちていて、板が渡されている。

桟橋から二島の方を見る。

桟橋の先端には、ライトがついている。暗くなると自動で点滅する。

夜になってもこの周辺は漁船がうろうろしている。
桟橋の位置を伝える重要な施設なのだ。

桟橋の様子。一部文字が欠損しているが、赤いペンキは退色しやすいらしい。そしてこうなる。

夜も焚き火、Aさんにいろいろ質問したり、教えてもらいました。
とても勉強になった・・。

そういえば二島には蚊はいましたので、虫よけスプレーは持ってきた方がいいかも。

夜に咲く花、待宵草(マツヨイグサ)、アブがハチドリのようにホバリングしながら、長い口を花につっこんで蜜を吸っていた、正確な動きがまるで機械のようだ。

この後、夜は8時頃?にテントに入って就寝。
テントの中は暑く寝苦しい。うとうとしながらもなかなか寝付けない。
せめて少しは風があれば良いのだが、無風。

島でのキャンプは暑さ対策が必要だ。山の上なら夏でもそれなりに涼しいものだが、島はとにかく暑い。蚊帳と大型のタープの組み合わせが良いかも、携帯型扇風機などあれば欲しい。あと登山用のマットは保温力が強すぎて暑苦しい。もっとさらっとして涼しい夏用のアウトドアマットは無いものだろうか。

あまり寝付けず、そのまま朝を迎える。

朝ごはんはラーメン。出前一丁の海鮮味だ。
朝早く、帰ってゆくAさん。漕いで島影に消えるまで見ていた。

ラダーが効いているようで、すばらしい直進性だ。僕のカヤックとは大違いだ(僕の腕が悪いのかもしれないが)

誰もいなくなった無人島。
待宵草は朝はしぼんでいる。
北側の海岸。
さあ、僕も帰ろう。

荷物をまとめてカヤックに積み込む。
特に後ろ髪をひかれる事もなく、この島にはまた訪ねてくる事もあるだろう。
二島を開放してくれている長与町に感謝しながら、岸を離れた。二島をカヤックでぐるりとまわって島を観察して帰る事にした。

カヤック

2018年09月28日(金)

長与町の無人島、二島へ(2)

ここで二島について簡単に解説をしておきたいと思う。

二島は長崎県西彼杵郡長与町斉藤郷に位置する無人島で、長与港からは約5km沖合にある。

面積は0.05km2、周囲1.2km、最高標高地点は21mで、
島は2つの小島がくっついた様な形をしている。

ちなみにこの島はSIMADASに掲載がない。

僕は以前、二島はこの2つの膨らみが二島の名前の由来に違いないと書いたが、
古地図を見ても今の島とそんなに形が違っていないので、あながち間違いでは無いかもしれない。

出典:古地図コレクション(年代不詳)

二島はかつて、日本軍だかアメリカ軍だかの攻撃演習の的になっていた・・という過去もあるそう。
この事については詳しくわかったら追記をしたいと思う。

二島に上陸、握りこぶしぐらいの岩がゴロゴロした海岸が印象的。

海岸にカヤックを寄せて上陸する。
2本の足で島の上に立つ、この感覚はとても不思議なものだ。
この感覚はカヤックで無人島に上陸した人にしかわかりづらい感覚だと思う。

周辺を見渡すと子供がいて、海水浴を楽しんでいた。

真っ黒に日焼けした、腹の出た男の人が歩いてきて挨拶を交わした。
釣り竿を持ったまま海の中へ入ってゆき投げ釣りを楽しんでいる(何も釣れてなかったが)

カヤックはそのままで、浜から陸の上へとあがってみる。
大音量で音楽が流れ、桟橋には人が集まってパーティーをしていた。
タープの下ではバーベキューコンロで肉を焼いている。
まるでフェスの会場のようになっていた。

男たちは上半身ハダカになっていて、中には全身に入れ墨をいれた若者もいた。

着岸した場所は島の北側の岸(上陸地点から西側を見る)
上陸した二島の北側の岸の様子。
カヤックを陸にあげておく。
無人島だと思ったら、ことのほか賑やかだった、この後さらに人数が増える。

ヨットや、ジェットスキーで上陸してよく利用されているようだ。

右手が上陸してきた北側の浜、奥には屋根付きの東屋、看板、石碑が見えている。

島には廃墟と化したトイレがあった。

トイレの中をのぞいてみたら『使用禁止』と書いてあった。
かつてはバイオトイレだったのかもしれない。

使用禁止であるが、他にトイレは無いので、利用している人も多そう。

完全に壊れた手洗い場。

まずテントを張った。

島にあった流木を利用して張る。

雨はぜったいに降らないと思ったので、フライはかけずに、かわりにタープ(本当はレインポンチョだが)をかけて日陰を作った。

テントを張っていたら、おじさんがやってきてキンキンに冷えた飲み物をくれた。
すぐにプシュッと開けて流し込む。喉をゴキュゴキュ鳴らして飲む。

ビールをくれたおじさんは、たぶんガテン系の会社の社長なんだと思う。
親分肌の人で若者に仕事を与えつつ面倒を見てやっているんだろう。
これは僕の勝手な想像だけど、そんなに間違ってないと思う。

おじさんたちは今日は日帰りで、帰る前に氷をもらえる事になった。
無人島で氷は貴重だ。これはありがたい。

テント周辺の様子、なかなか良いシュチエーションでしょ。
逆側から撮影、奥に見えるのが廃トイレ
南側の岸、こちらもシーカヤックで上陸可能
桟橋の様子。
再び島の北側の海岸。
日本シームレス地質図によれば、地質年代は後期中新世 – 鮮新世であり、岩相は非アルカリ苦鉄質火山岩類であり、約700万年前〜170万年前に噴火した火山の岩石(安山岩・玄武岩類)という事だが、正直意味がわからない。
二島園地利用上の心得
二島園地利用上の心得

利用にあたっては、申請が必要と書いてあるが、現在(2018年現在)ではその限りではない(長与町役場に電話して聞いた)

島にある屋根付き東屋(と言っていいのか)ベンチもあって快適。
島の植物。

植生に関しては、シイ・カシ萌芽林に分類されているようだ。
萌芽林(ほうがりん)は地表近くで木を伐採し、切り株からの萌芽を生長させた林だ。

双島漁場復旧工事落成 記念碑 長与町漁業共同組合・・と書いてるみたい。
島の山の中は入るのが困難、ブッシュが濃い。突破するにはそれなりの装備と覚悟が必要だ。
島の植物これは『ハマエノコロ』かな・・。
焚き火に使う枝(流木)は無尽蔵に落ちている。スリングを使ってカウ・ヒッチで結ぶ事で薪を束ねた状態で運ぶ事ができる。
かまど(焚き火跡)があったので利用させてもらう。
新聞紙と網だけは持ってきた。

無人島キャンプで焼肉、これがやりたかった・・。

小さいクーラーボックスにビールを2本入れてきた、
普段はそんなにお酒は飲まないのだけど、2本では足りなかった。
今度からは、冷たい飲み物を十分用意しておきたい。

つづきます。

カヤック

2018年09月21日(金)

長与町の無人島、二島へ(1)

3連休の天候が急回復!!
カヤックでキャンプツーリングへでかける絶好の機会を得た。
最初は長与町のキャンプ場からの出撃を考えていたのだが、今回は大村海岸から長崎空港の南側をかすめ、長与町の二島(ふたしま)をめざす事に決める、単純距離で約8.5kmの船旅だ。

ざっくりこんな感じで大村市の森園公園から二島まで漕ぎたい。

大村海岸へやってくると、これ以上無いほどの好天、風もほとんど無く、波も小さい。

早速カヤックを組み立てるのだが・・・

早く海に出たいという気持ちが強すぎたのか、カヤックの組み立てに何度か失敗し、出撃の準備に1時間半もかかってしまった。気温もそうだが、焦りのためか嫌な汗をかく、組み立て終わった時には、全身が汗でびしょ濡れだった。

艇を海の中へ引き入れて漕ぎ出す。

岸で見ていた人らに手をふって別れた。

まずは長崎空港の『滑走路誘導灯』へ向かう※
この誘導灯については、あらかじめ弟からの情報を得ていた、長崎空港で働いている方に聞くと、この誘導灯に船などで近づいても何ら問題が無いと言う事である。

※滑走路進入灯かもしれない。

ほとんど波の無い静かな大村湾はまるで湖の様だ。
長崎空港の文字が見えてきた。
滑走路誘導灯がはっきりと目視できる距離まで近づく。

ところでここでひとつ問題がある。
長崎空港から出ている安田産業汽船の連絡線の航路をカヤックで横断しなければならないのだった。
これは周辺をよく見て、航路を妨害しないように速やかに移動する必要がある。

漕いでいると、右手から連絡船が飛沫をあげながら走ってきた。

カヤックを止めて見送る。

連絡船の窓にいくつかの顔が見えた。
両手で手をふってみると、手をふりかえしてくれた。
なんとなくほっこりした気分になる。

誘導灯に近づいてゆくと、左手に航空機が見えてきた、着陸態勢に入っている。

プロペラ機だ。この距離からみる飛行機は迫力満点だ。

青と緑でキレイに塗り分けられた飛行機が青い空に映える。

さあ、いよいよ、誘導灯の下を通過する。

船の上からでしか見ることのできないアングルに静かに興奮を覚える。

(ことさらに男を強調するつもりは無いが)男というのはこういうインダストリアルなデザインが大好きな生き物だと思う。

シーカヤックの楽しさのひとつとして、このように普段は見る事ができない角度から、いろんなものを見る事ができる、というのがあると思う。

誘導灯を通過した後は長崎空港の圏内から脱するために岸を漕ぎ進める。

誘導灯から離れてゆくと、いままでは長崎空港(箕島)の影に隠れていた島が見えてきた。
あれが目指す長与町の『二島』だ。

ここからが勝負だな・・と思った。

実際漕いでゆくと、長崎空港(箕島)の裏側は潮の流れがあり北の方へ静かに流されてしまう。

風はあまり無いと思っていたが、船首が進行方向とは逆側(つまり大村市側)を向こうとするので右側をおもいっきり漕いで軌道修正を入れるのだが、これがなかなかキツイ。何度漕げどもカヤックは回れ右をしたがる。これにはまいった。

また軽い船酔いにも苦しめられる。船酔いの薬を飲むのが遅すぎたようだ。
船酔いは激しく体力・気力を削られる。

疲れたので休んでいると、船首は逆側へ向いて、船は北側へと流される。

海面に2つ小さい穴が空いていた。なんだこれは・・渦?

箕島から二島への間は、景色の変化が無いという意味では単調である。
波の変化も殆ど無く、ただひたすらに静かな海。

稚魚がよく跳ねていて、カヤックにぶつかってくるドジな小魚もいる。

二島へ近づいて行くと、海面にもわずかな変化がうまれる。
小さいギザギザが海面に現れ少し風が出てきた。

前方から人の声や音楽が聞こえてきた。
まさか・・と思い単眼鏡を取り出し島を見る、桟橋にボートと沢山の人影が見えた。
先客がいるようだ。

初めてなのでどこから上陸したら良いのか分からなかったので、北側から上陸する事に決める。(実際には北側と南側どちらもカヤックで上陸可能)

潮間帯は岩がちな地形で、樹木・下草が鬱蒼としている。
島の沿岸部を海底の岩に注意しながら、ゆっくりと漕ぐ。

めざす二島の岸が見えてきた、人影とタープテントが見えている。

どんな人達なのだろうか・・不安も大きい。

続きます。

カヤック

2018年08月21日(火)

はじめてのカヤックでのキャンプツーリングの準備

フォールディング・カヤックで長与町の二島へ渡りキャンプをする。
その準備を進めている。

できるだけ無駄なものを持って行かないようにコンパクトに。
幕営のための装備はすべて山岳用だ。

思っていたより軽そうなので当初考えていた、荷物を積み込んでの試走は不要と判断した。

あとは、これに食料、乾物やレトルト食品で軽く。
アマチュア無線と本も持って行こうかな。
水は何リットル持って行けばいいかな・・?

1.5mのバックルベルトと、布テープ(赤)を購入。

バックルベルトは、カヤックのアルミフレームを結束するために用いる。バラバラにならずパッキングがしやすくなった。

バックルベルトのジョイント部分はプラスチック製で耐久性に不安があるが、とりあえず使ってみようと思う。

僕のフォールディング・カヤック、アルピナ2 430EXのボトムは、引き裂き強度を高めたアラミド繊維リップストップを採用しており耐久性は高いのだが、岩などに接触して穴が空いた場合の応急処置として布テープが使える。

布テープを折りたたんで適当なサイズで切る、これで携帯しやすくなる。色は目立つ赤で。
布テープでの補修はあくまでも応急処置で、旅から帰った後にはすぐに剥がす必要がある。張り続けるとベタベタして大変な事になるらしい。

丁寧にパッキングしてゆく、カヤック付属のバックパックはスペースに若干の余裕があるので、空いた隙間に装備を詰め込んでゆく。

あとは天候、海水温、風速など、条件が整えばいつでも出発できる。
忘れ物だけ無いように注意、リストを作ってしっかりと確認してゆきたい。

カヤック

2018年07月11日(水)

二島でカヤック・キャンプ・ツーリングしてみたい。

カヤックをはじめたばかりの僕は、まだヨチヨチ歩きの子供状態といえる。
そんな僕でも、優しく受け入れて遊ばせてくれる、穏やかな大村湾。
カヤックをはじめる人にとって大村湾は優れた海だと思う。
この海でカヤックを通じて自然に触れながら、海の人としても少しづつレベルアップして行きたい。

さて、そんな僕だが、この夏の目標が決まった。それは大村湾の無人島『二島』でのカヤック・キャンプ・ツーリングだ!!
無人島をカヤックで訪ね、上陸し、テントを張り、キャンプをするのである。そんなもん楽しいに決まってるし、もう考えるだけでもワクワクしか無いぞ!!

二島(ふたしま)は長崎県の西彼杵郡長与町斉藤郷に属している。
上から見ると丁度ひょうたんのようで2つの膨らみがあるが、大村市の臼島と比べてもふたつの膨らみは均衡がとられている。この2つの膨らみこそが二島の名前の由来である事は疑いようもない(だよね?)

ネットで検索をしてもあまり情報が無いのは他の大村湾の島と同様であるが、幾人かカヤックで上陸しキャンプを楽しまれているようだ。
ネットに上がっている写真などみていると、この島にある看板に『二島園地利用上の心得』が書いてあり、利用にあたっては許可が必要と書いてある。管轄は長与町役場都市計画課である。まずは電話をして話しを聞いてみる事にした。

対応していただいたのは長与町役場、土木課の方、かつては桟橋があり長与町が管理をしていたとの事で、利用には申請が必要だった事もあったそうだが、今は桟橋は壊れてしまい管理が出来ないと言う事で、利用の申請も必要は無いし、利用の制限も設けてはいないと言う返答をいただいた。もちろん二島の利用は自己責任であり、何があっても長与町は関知しないという条件付きである。法律とマナーを守れば利用しても大丈夫と言う事だった。

法律的に問題無いとくれば、あとは実行に移すだけである。

出撃地点としては、いつもの海岸、大村市の大村海岸、ここからは10km近く漕ぐ事になりそう。
他の候補地としては長与町の潮井先キャンプ場内から、テントサイトの下は砂利の海岸と言う事で、距離的にも4kmと無理が無い、ここも良さそうである。

シーカヤックでのキャンプツーリングの前にクリアしておくべき事がいくつかあるが、自艇のアルピナ2 430EXに実際にキャンプ道具を詰め込んだ上での試走はやっておきたい。シーカヤックは積載量が多くなると喫水が下がるが、安定感が増すと言う、そのかわり進みにくくなるとも聞く、そのあたり実際どうなのか、試してみねばなるまい。

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