カヤック

2019年10月24日(木)

大村湾 漕査 第10レグ(長崎市琴海村〜脇崎)

この日は琴海村、松町の名称不明港から漕ぎ出し、形上湾を目指した、最初は気持ちよく漕げていたが、徐々に風が強くなるという展開だった。

GPSでの航跡
どうやってカヤックに綺麗に布を被せているか?と言うと、このような滑車の力を用いて船体布に強いテンションをかけている。

自宅の大村市からここまでやってくるのにバイクだと2時間ほどかかる。朝まだ暗い時間から走り始め出艇場所へ到着。すぐにカヤックを組み立てて出発する。

カヤックを組み立てる環境としては悪くはない、ただお手洗いなどは無いのでその点は注意が必要

コンクリートの上での組み立てはアルミフレームに無駄な傷がつく、ブルーシートなど一枚噛ませてから行うべきだった、次回からは準備しておきたい。

朝早い出発。太陽の位置が低いため逆光が厳しい
最初に戸根川を遡上する

琴海の戸根川では毎年3月下旬は『琴海花まつり』が催されている。長崎市の景観賞にも輝いた事もあり、琴海戸根川沿いには2キロに渡って桜が咲き誇るそう。大勢の人出で賑わい、シーカヤッカーにもお馴染みのイベントなんだとか。

小さいギザギザの波、静かな水面
流れる水は綺麗

大村や諫早から離れるほどに水の透明度が増す、誰が大村湾を汚しているのか、なんとなくわかってきた。

川から出て『鴨池団地』沿いに漕ぐ、右手にはオーシャンパレスGCが見えている。

鴨池団地とオーシャンパレスGCに挟まれた入り江へ入る。

入り組んだ地形、湾の中の湾は水面が穏やか
朽ちた小舟にも味わいを感じる。

波が無い入り江の中ではカヤックは滑るように進む。波の音もなく、朝の静寂が気持ちいい。

奥まで漕いで調べる。
芝の緑が美しい。

入り江を一周して、ゴルフ場沿いに漕ぎ進める。ゴルフクラブと『辰島』の間に入ってゆく。

右側の陸地の『辰島』はオーシャンパレスGCの所有地となっていてゴルフコースの一部になっている、辰島と陸地の間を抜けて進む、正面には小さい島と、橋が見えている。
写真では島に見えない『ベトウ島』も軽く観察。ここもゴルフ場の土地かもしれない。
こちらもゴルフ場の一部となってしまった『小ベトウ島』

いろんな島に上陸してみたいが、明らかに私有地な島には上陸出来ない。
もしも島の所有者さんが僕のHPを見ていたら上陸させてほしい。
俺の島紹介してよ、とか、最近見てないので見てきて?とかでも構わない。
無人島に上陸して探検したいのです。

辰島と陸地の間には大きい橋がかかっている。キャリーカートが行き来している

これは帰りの話しなのだが、辰島とゴルフ場の間を漕いでいると、船の近くでぽちゃん!と音がした。ゴルフボールが飛んできたのだった。

ゴルフボールが飛んでくるというのは頭の中になかったのだが、ゴルフボールの威力についてネットで調べると車のボンネットが凹んだとか、車のカーポートの屋根が割れたなどが出てくる。人に当った場合は打ちどころが悪いととんでもない事になるかもしれない。
まぁ、だからと言ってカヤックの上で何が出来ると言うわけでもない、ヘルメットを被るか、ここではカヤックを漕がないぐらいか・・

辰島の間を抜けると、正面に島影が出てくる。
これが歌手のさだまさしさんが所有している『詩島』だ。

その昔、この島は『寺島』と呼ばれていた。その後さだまさしさんが購入し『詩島』と名前を変えた。

詩島はさだまさしさんが経営するバンガローなどがあり、老夫婦がキャンプ場の管理人をしていた時期がある。しかし今は営業は停止しており、さだまさしさんのプライベート空間として利用されている。立ち入りは禁止。

うねりが大きくなってくる。

この辺りまでくると風もかなり強くなってきて、漕いでもあまり進んでいる気がしない。カヤック初心者の限界だと言われる風速5m/sが近いようだ。

脇崎漁港へ入る、港の中は嘘のように静か。
海上から見えた。左側は砲弾か・・不発弾かな?大丈夫なの?

風は強くなってきたが、まだ余裕があるので、もうちょっと進んでみる。

岩礁
脇崎漁港北側の港へも入る。

ここで引き返すか?と思うが、もう少し漕いでみる、少し北にもうひとつ小さな港があるのでそこまで漕ぐ事にした。

小さい島が見えてきた。
荒々しい岩の島で、松が生えている。

港の手前に小さい砂浜があり上陸する。

上陸して岩の上に立ち島を見る。
足元のようす
波が岩にぶつかる
岩場の裏はすぐに港だった。
小さな漁港へ入る、港の中は穏やか
港の中の小さな砂浜から上陸。

上陸したところでちょうど漁具の手入れをしている漁師さんがいたので挨拶し、港の名前を聞く。だが港に名前など無いと言う。彼はこの場所は「裸島」であるというので、もしかしてさっき見た島の名前なのかと思い聞いてみるがそれは違うらしい。漁師さんは「サザエ島」と言っていた、昔はよくサザエが取れていたそうだ。

地図で見るとこの場所は長崎市琴海戸根町とある、もしくは近くには『脇崎』という地名も見られる。
裸島はここよりずっと北にある島の名前なので、僕とこのおじさんの会話が噛み合ってなかっただけかもしれない。

次回はこの港から船を出して形上湾を目指す事にして、今日はここから引き返す事にした。

帰る途中に見た『詩島』

シーカヤックというものは船首を風上に向くように流体力学的に考えられていると聞いた事がある(実際に本格的なシーカヤックを漕いだ事が無いので、それがどれくらいのものかはまだ分からない)だが僕のカヤック、アルピナ2に関していえば、それはどうもあたらないようだ。たしかに風上は捉えやすいのだが、漕ぎをやめればアルピナは風に対して腹を見せようとする。つまり横向きになる。

風が強いとき風上へ向かおうとすると、けっして直進性が高いとは言えない本艇は漕いでも進まなくなるだろう。そこで前進を断念して風から逃げようとすると(つまり風下へ向かおうとすると)艇に曲がろうとする力が強く働く(艇が風に対して横向きになろうとする力は風上へ進む時以上のものがある)だから、風から逃げるとき、曲がろうとするカヤックの進路を真っ直ぐに維持するために、ひたすら片方を漕ぎ続けなければならないと言う状況に陥る。

強風が吹けば、進む事も、また退く事も難しくなり、最後には漕ぎ疲れてカヤックは風に側面を見せる。それは同時に波の影響をモロに食らうという事でもある。

つまり、その時カヤックは転覆するだろう。仮にカヤックに再乗艇出来たとしても、もはや漕ぐ力は残ってはいない。再び沈する。たぶん、カヤッカーはそうやって死ぬのだな・・

そんな事を考えながら、風速5m/sの海を漕いでいた。

無事に戻ってくる。

今日は予定通りに事が進まなかったが、風速5m/sの海を経験できたので良かった。風というものがいかに海では危険なのかがわかって来た。次回は脇崎から形上湾へ向かう。

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